中古マンションを購入するにあたり誰もが気にしている
毎月のランニングコスト、それが管理費と修繕積立金です。
中古マンションを購入する際にファミリータイプ(50㎡以上)なら
毎月合計で3万円以下とか条件を付けているお客様も多くいます。
また、管理費と修繕積立金はなんなの?って
思っているお客様もいます。
マンションを長年維持していく、そして快適なマンションを生活を
送るうえで欠かせない大事なランニングコストの2つの費用を
しっかりとお話します。
管理費とは・・・
管理費とは、一般的にアパートやマンションなどで、
共同で使用する施設や設備の維持管理に必要な経費のことをいいます。
維持管理に必要な共同部分に関する経費を算出し、
専有部分の持分面積に応じて負担します。
持分面積の計算方法は、土地所有権の持分割合に比例する
場合や管理規約に定められている場合があります。
内訳として、管理人の人件費、管理会社への事務委託手数料、
設備の保守点検費用や清掃委託費、
共用部分の水道光熱費・損害保険料や管理組合運営費などがあります。
ここでいくつかの注意点!
全部委託の場合であれば、管理会社への事務委託手数料があります。
管理費の合計が管理会社の手数料と思っているかたもいますが、
これは、大きな間違いです。
管理費は、他にも多くの項目で利用されています。
その代表的なのが管理組合の運営費、わかり易くいうと
理事長や理事の報酬がその代表的な例となります。
他には火災保険の費用です。
マンション共用部分には、必ずと言ってよいほど火災保険
がかけられています。
こういう内訳についても購入前に
しっかりとご確認ください。
その他にタワー型マンションなどでは、
コンシェルジュサービスやスカイラウンジサービス、
フィットネス・ジャグジー等各種サービスを
維持管理させるための費用にも充てられています。
管理費は、マンション維持管理において
必要不可欠となります。
なので、安ければ良いということでもありません。
修繕積立金とは・・・
修繕積立金とは、マンションを長期間維持・保全するために、
将来の大規模修繕に備える積立金のことです。
修繕積立金は、区分所有者が持分(専有面積の割合)に
応じて負担し(一律の場合もあります)、
管理組合が徴収して管理します。
修繕積立金の金額は、基本的に長期修繕計画に基づいて、
計画期間中の修繕費用総額をまかなえるように
逆算して算出されます。
よく中古マンションをお求めのお客様から
「このマンションってあと何年くらいもつの?」
って聞かれることが多くあります。
その答えを出す前にマンションの構造について
簡単に知ってもらう必要があります。
多くのマンションは「RC造・SRC造」
いわゆる鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造
からなります。
鉄筋コンクリートは、その言葉とおり
コンクリートと鉄筋とが一体となった構造です。
コンクリートは圧縮には強く、引張りには弱い材料ですが、
鉄筋は圧縮には弱く、引張りには強いという性質があります。
また、鉄は錆びやすく、コンクリートは錆びない
という性質もあります。
鉄筋コンクリートの劣化は、
コンクリートの中にある鉄筋が錆びることが原因です。
鉄筋が錆びるとひどいものでは、内部爆裂をするのもあります。
鉄筋が錆びないためにコンクリートが
覆われているのです。その覆っているコンクリート
の部分を(かぶり)といいます。
鉄筋を覆っている(かぶり)の厚さというのは、
3cmと基本決まっています。
その(かぶり)の厚さが無くなる
=鉄筋がむき出しになると考えてください。
マンション外壁は長年の雨・風によって徐々に
削り取られて、風化していきます。
外壁コンクリートが1cm減るのにかかる期間というのが
約20年と言われています。そして3cm減るには、
乗じることの3倍、つまり60年ということです。
最近では100年コンクリートという商品もでていますね。
これは、(かぶり)厚さが5cm以上ということになります。
多くのマンションの耐用年数は、約60年ということに
なりますが、これにはもちろん保守・点検・修繕という
3つのプロセスを必ず要します。
ちなみに1998年の税制改正国税庁が発表している
耐用年数(建物・建物附属設備)では、
事務所用のもので50年・住宅用のもので47年となっています。
近年の大規模修繕工事というのは、精度がより高くなっています。
それによってマンション耐用年数も変化します。
大規模修繕工事の期間の目安は、
およそ12~13年に1度の割合で行われます。
修繕積立金は、そういう保守・点検・修繕に利用されています。
しっかりとした工事が行われなければ、
将来不安に陥ること必至です。
なので、管理費同様に安ければ良いということでもないのです。
金額の目安とは・・・
管理費・修繕積立金ともに安ければ良いということでも
ないのですが、そうは言っても購入を希望するお客様からは、
少しでもリーズナブルになれば家計の負担が少なくなります。
そこで、管理費・修繕積立金の平均を知っておくことは、
今後の中古マンションを購入するうえでも良い判断材料に
なります。
すべての中古マンション(面積・世帯数問わず)の
管理費+修繕積立金の平均は
首都圏新築マンション契約者動向調査」(リクルート調べ)によると
月々2万1,535円です。
管理費は平均1万5,002円
修繕積立金は平均6,533円で、
合計2万1,535円となっています。
平成23年4月に国土交通省が発表した
マンション修繕積立金に関するガイドラインにおいて、
修繕積立金額の平均値が算出されています。
まず15階未満か20階以上かで区分されます。
15階未満で建築床面積が5000㎡未満であれば、
毎月㎡単価218円。
15階未満で建築床面積が
5000㎡~10000㎡未満であれば、
毎月㎡単価202円。
15階未満で建築床面積が10000㎡以上であれば、
毎月㎡単価178円。
20階以上であれば、毎月㎡単価206円と
平均値が計上されています。
ちなみに総戸数56世帯、SRC造13階建、S46.8築
建物延床面積3,360㎡、専有面積41.28㎡という
ことであれば、
41.28㎡×218円=8,999円ということになります。
最近の中古マンションにいえることは、
修繕積立金の平均金額をクリアしていない
マンションが多いということです。
マンション管理費の相場については、国土交通省
がまとめた「平成25年マンション総合調査」にて知ることができます。
ちなみに駐車場使用料等からの充当額を除く
月/戸あたりの管理費の平均は10,661円で、
総戸数規模が大きくなるほど低くなる傾向にあります。
国土交通省の調査に従えば、
管理費の全国平均の相場は『145円/㎡』となります。
管理費は、いまだに割高な設定となっているマンションが
多いのが現実です。
まとめ・・・
管理費・修繕積立金ともに
快適なマンションを生活を送るうえでとても重要だと
いうことがおわかりになっていただいたと思います。
ただ、その金額が何に利用されているのか、
その金額は適正なのかをしっかりと判断してください。
「中古マンションは、管理力を買え!」
という言葉があるくらいです。
マンション管理に落度があるマンションは、
購入をあきらめましょう!
また、修繕積立金については、
今までの修繕履歴をしっかりと確認した後に
今後の修繕計画がしっかりとなされているか、
修繕積立金総額が貯蓄されているかなどにも目を向けてください。
ここで注意!
築浅マンションでは、修繕積立金の額が著しく低いことが
多いです。将来間違いなく高くなります。
2~3倍となるケースも多くあります。
購入時に住宅ローンとのバランスもしっかりと考えてください!
修繕積立金が少ないマンションの場合、
一時金を査収されるケースも予想されます
(1度に数十万円の負担も多くあります)
ので、中古マンションを購入する際には、
将来の安心も踏まえての判断をするようにしてください。
長々と弊社コラムをお読みいただき、心から感謝いたします。
それでは、少しでも良いマンションとの出会いの判断材料と
して頂ければ幸いです。
それでは、多くのお客様が素敵なマンションと出会えますように・・・