今年に入ってから新型コロナウイルスの感染者数増大が私たちの暮らし
に大きく影響を及ぼしていますね。
東京都では、昨日29日(土曜日)新たに1万7433人の感染者数の
発表がありました。先週土曜日の1万1227人から6206人も増大
しています。感染経路別では、家庭内感染が3647人と最も多く、次
いで、小中学校などの施設内感染も増大しているとの事です。
新たに発見されたオミクロン株は、風邪の症状と類似しているので、
実際、検査をしない人も多くいる事も予想されているので、外出の際は、
感染対策をしっかり行うように注意下さい。
また、東京都では、まん延防止等重点措置の適用も1月21日(金曜日)
から2月13日(日曜日)まで適用されています。
不要不急の外出自粛及び施設の使用制限などが要請されています。
現在、まさにピークといったコロナウイルス問題ですが、感染対策を徹底
して対処していきましょう!
さて、今回はマンションにおける既存不適格と違反建築をテーマとして
ご説明します。
既存不適格(きぞんふてきかく)とは・・・
既存不適格って?なに?って思うかたも多いと思います。
既存不適格(きぞんふてきかく)とは、建築時には適法に建てられた
建築物あるいは増改築のときに適法に建てられた建築物が、
その後法令の改正や都市計画変更等によって現行法に対して
適合しない不適格な部分が生じた建築物のことをいいます。
具体的には次のようなケースが挙げられます。
1.建設後に容積率の指定数値が引き下げられた
どちらかといえば改正などによって指定容積率が引き上げられたり
緩和されたりする傾向にありすますが、平成4年6月の都市計画法
及び建築基準法改正により、それまでの8種が12種類の用途地域制と
なり、各行政の用途地域利用によって容積率が減少した区域もあります。
2.容積率の規定が導入される前に建設された
古いマンションではこれに該当するものが意外と多くあります。
容積率の規定が全国的に適用されたのは昭和45年頃のことであり、
それ以前は住居系の地域で20m、その他の地域で31mという
「絶対高さ制限」が適用されていました。
その後、容積率制限については昭和38年にその考え方が導入され、
翌年以降に順次、適用地域が増やされ、昭和45年6月1日に
「全面採用」されたようです。
その間の運用がどうなっていたのか正確には分かりません。
3.道路拡幅などにより、建設後に敷地の一部が収用された
これも比較的多く見られるケースです。都市計画道路の拡幅や新設が
予定されていても、それが事業化されるまで(計画決定の段階)は
敷地面積に算入できるため、容積率をフルに使って道路計画にかからない
部分の敷地にマンションを建てることが少なくありません。
4.建設後に敷地の一部が第三者へ売却された
建築確認のときには容積率の計算対象とした敷地の一部を分譲の対象
から外し、マンション完成後に事業主から第三者へ売却してしまった
ようなケースも、昭和50年代頃までのマンションでときおりみられます。
また、容積率稼ぎのため建築確認のときには、事業主が所有する敷地と
第三者が所有する隣接地とを合算(借地扱い)していたと思われるケース
もあります。そのまま隣接地を借り続けていれば問題はないのですが。
5.地区計画によるエリアによって高さ制限が設けられた
建築物の高さ制限に関する制度としては、都市計画法に基づく高度地区
や風致地区、景観地区や地区計画なでおがあります。とくに地区計画に
ついては、各行政ごと、エリアごとによって異なります。そこで高さ制限
が新たに設けられることによって、
建築時には無かった規定に抵触してしまいます。
6.旧耐震構造のマンション
1981年(昭和56年)6月1日に新耐震基準が施行されました。
この新耐震設計法の制定で、耐震基準が大きく見直され「比較的よく起きる
中程度の地震に対し、軽度なひび割れ程度」、「まれに起きる大きな地震に
対し直ちに崩壊・倒壊しない程度」と定義付けられました。
1981年6月1日以前に建築確認申請されてから竣工したマンションは、
現行法の耐震基準を満たしていません。
他にもケースはありますが、概ね以上のケースが該当されることが多く、
既存不適格と断定されると、
将来建替えの際に同規模のマンションが建てられない
という問題が生じます。
弊社エリア専門エリアでは、下記の内容のケースもあります
名称:幹線街路環状第5号線の1(明治通り)計画幅員:30m
計画決定:昭和21年3月26日(戦災復興院告示第3号)
池袋駅東口から西巣鴨方面に抜ける明治通りがまさに道路拡幅の対象
となっています。
ただ、計画決定なので事業決定されると道路が収容されて
建築時の敷地によるマンションは建築できません。
こういったこれから計画されるといった道路拡幅予定地の場所も
多くあります。ただマンションの場合、現行の容積率を超えている既存
不適格建築物は意外と多く、中古市場でもごく普通に流通しています。
既存不適格建築物になってしまった原因はいろいろですが、その問題点
などを十分に理解して購入するかどうかの判断をしなければなりません。
ここで一つ大事なお話です。
既存不適格マンションと断定されると住宅ローンにも影響があるのでは?
と思いのかたも多くいらっしゃいます。
影響が全くないというと過言になりますが、多くの金融機関は、
問題の無いマンションと同様に住宅ローンを扱ってくれるので、
ご安心ください。
違反建築(いはんけんちく)とは・・・
違反建築とは、既存不適格と異なり、現行法規に適合していないことは
勿論、建てた当初から当時の法律にも適合していない建物になります。
具体的には建ぺい率や容積率を超えて建築されているもの、
接道要件義務違反などがあり、当初から違反して建てられたもの、
当初基準をクリアしたがその後、違法な増改築をおこなった建物などが
該当します。
違反建築だった場合、特定行政庁は、その建築物の所有者、建築主、
工事請負などに対して、工事の施行停止を命じ、または当該建築物の除却、
移転、改築、使用禁止など、是正に必要な措置を指示することができます。
(建築基準法第9条記載)
中古マンションにおける違反建築というのは、あまり例がなく
どちらかというと戸建に多いです。
不動産をお探しになっているかたであれば、瑕疵物件(かしぶっけん)
・再建築不可というフレーズを聞いたことや図面とかでみたことが
ありませんか?
これは違反建築物の一種です。
戸建に多く、接道要件が満たされていない場合が多いです。
接道要件というのは、建築基準法の第42条・43条に
幅員4m以上の建築基準法上の道路に、
2m以上接道していないと家は建てられない。
という大原則があります。
この大原則を守って建物は建築されています。この接道義務の要件に
当てはまっていないことにより瑕疵物件(かしぶっけん)・
再建築不可というレッテルを貼られているケースがほとんどです。
違反建築の場合は、金融機関の住宅ローンがほとんど通過しません。
ここが既存不適格建物と大きく違います。
建築時当初から法律を守っていない建物に金銭の貸し出しはできない
という概念からきています。
違反建築物の場合、相場より低く取引されているケースが多いです。
それには、違反していることの内容が他にもある可能性があるということです。
単に目に見えること以外にも違反しているというリスクも
考慮に入れなけばなりません。十分に注意しましょう!
既存不適格マンションを購入しようと思ったら・・・
既存不適格マンションについては、上記に述べたように将来建替えする際に
同規模のマンションが建てられないということに着目ください。
容積率が不足する・高さ制限に抵触するマンションの建替えでは、
資金計画が整ったとしても現実には、あらたに隣接地を購入するかなど
同規模のマンションを建築する方法がない限り、
各部屋をそれぞれ一定割合ずつ狭くしなければならないなどの問題が浮上し、
居住者間の合意を得ること自体が非常に困難と想定されます。
東京都でもマンションの建替えに対する容積率の割増し制度など
独自の支援策も講じていて、国や他の自治体でも既存不適格マンションに
対する支援措置や救済措置などが次第に整備されていくものと考えられます。
いずれにしても購入時点では、既存不適格の原因が何であれ
「将来建替えする際に同規模のマンションが建てられない」
ということを考慮に入れ、その問題が容易に解決できるか否かを争点とした
慎重な判断をしてください。
弊社では、中古マンションにおける視覚ではとらえきれないトラブルも
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